まるで国産レア車天国! 映画「ワイルド・スピード」でスクリーンを彩った数々の名車たち

まるで国産レア車天国! 映画「ワイルド・スピード」でスクリーンを彩った数々の名車たち

2026年5月11日

映画の世界では数々のクルマが活躍してきましたが、近年のクルマ映画でもっとも人気が高い作品のひとつに「ワイルド・スピード」シリーズが挙げられるでしょう。世界中で大人気を誇るクルマ映画には、多くの国産車が登場することでも知られています。今回は、そんなワイルド・スピード シリーズに登場するクルマを紹介。国産・輸入問わず、スクリーンで暴れまくる魅力的なマシンは一体どんなクルマだったのでしょう。

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ダッジ チャージャー(1970年式)

ドライバー:ドミニク(ヴィン・ディーゼル)

シリーズの象徴とも言える、もっとも重要な意味を持つクルマ。それが、1970年式のダッジ 初代「チャージャー」です。北米で発売されたのは1966年。2ドアクーペのボディに大排気量V8エンジンを搭載したいわゆる“マッスルカー”であり、当時北米市場で猛威を奮っていた大人気カテゴリーでした。6.9Lから始まった排気量は年々増加し、400馬力を優に超えるハイパワーが与えられたチャージャーはレースの世界でも活躍。ダッジブランドのレーシングイメージを植え付けた存在となりました。

シリーズにおける主人公ドミニクの愛車として初代作品から登場しているチャージャーは、ドミニクの亡き父と組み上げた特別な存在として描かれました。第1作目以降も、4作目、5作目、7作目以降と度々登場し、大破してはドミニクの手で何度も蘇っています。歴代作品のそれぞれラストを飾るクルマとして、最後の大一番に登場するトリのクルマとして定着。作品の世界観に応じて、毎回進化していく過程もファンの楽しみのひとつとなっています。

トヨタ スープラ(A80型)

ドライバー:ブライアン(ポール・ウォーカー)

もともとはセリカの上位車種として登場したGT(グランツーリスモ)カー。劇中に登場する4代目(日本国内では2代目)からピュアスポーツカーへと変貌し、そのフィロソフィは5代目の現行モデルへと継承されています。伝統的に直列6気筒エンジンを歴代搭載してきたスープラですが、4代目のノーズに収まったのは当時のトヨタで最高の性能を誇った2JZ型3.0L直6ユニット。最上級グレードのRZはツインターボで武装され、ライバルの日産 スカイラインGT-Rやホンダ NSXとサーキット・公道問わず激しい争いが展開されました。

劇中では、初代作品から主人公ブライアンの愛車として登場。彼の遺作となった7作目のエンディングシーンは、ファンに強烈な印象を残しました。世界中で人気が高いため、2026年の現在でも高値で取引されている車種のひとつです。

日産 スカイラインGT-R(R34型)

ドライバー:ブライアン

日産が持てる技術をすべて投入して作り上げた、世界に誇るハイパフォーマンスカー。日産の「R」は、いつも特別なクルマにだけ与えられてきました。劇中に登場するR34型は、第2世代のGT-Rにおける3代目であり、集大成のモデルでもありました。前後の駆動配分を電子制御で自動にコントロールする4WDシステム「アテーサET-S」、当時のグループA規定に合わせて設定された中途半端な2.6Lという排気量が特殊感を際立たせていた、稀代の名機「RB26DETT型エンジン」。そのすべてがGT-Rのために、そしてレースでの勝利のために作られたものでした。

劇中では第2作目から、ブライアンの愛車として登場。日本のハイパフォーマンスカーに目がなかった、ブライアンを演じるウォーカー氏の希望もあり、4作目にも登場しました。ブライアンの愛車として、スープラと同様に強烈なインパクトを観客に与えたモデルです。

マツダ RX-7(FD型)

ドライバー:ハン(サン・カン)

世界で唯一無二の存在、ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーが、マツダが世界に誇るRX-7です。通常のレシプロエンジンとはまったく構造が違うロータリーエンジンは、鋭いレスポンスと回転上昇の早さ、そして爆発的な加速力が魅力でした。1967年に量産化されたマツダのロータリーは、78年に初代サバンナRX-7へ搭載。劇中に登場するFD型RX-7は、91年に登場し2002年まで製造されました。理想の前後重量配分と、コンパクトなボディ、そしてロータリーゆえの低重心設計など、クルマの運動性能に全振りしてるとも思われるFD型は、稀代のコーナリングカーとして名を馳せました。

劇中では、東京を舞台にした3作目「TOKYO DRIFT」で初登場。物語のキーマンでもあるハンの愛車として、壮大なカーチェイスを繰り広げました。ヴェイルサイドというブランドのフルエアロを纏ったハンのオレンジのFDは、世界で一番有名なカスタムRX-7として知られています。

日産 フェアレディZ(Z33型)

ドライバー:タカシ(ブライアン・ティー)

スカイラインと違い、初代から積極的に海外市場へも展開されてきた、日産の歴史あるGTスポーツ。Zの名を冠した初代S30型は、特に北米市場で大ヒットを記録し、「Z(ズィー)カー」と呼ばれ愛されました。初代から現行の7代目まで一貫して6気筒エンジンを搭載している点も、こだわりを感じる部分です。Z33型は、当時の社長カルロス・ゴーンの鶴の一声で復活した5代目モデル。3.5LのV6エンジンをFMプラットフォームに搭載した、2シーターFRスポーツです。02~08年までのわずか6年間で約25万台も販売された、世界的な大ヒット作ともいえます。

作品の中では何度も登場しているクルマではありますが、一番印象的なのは3作目の敵役だった黒いZ33でしょう。D.K.(ドリフト・キング)と呼ばれていたタカシのZ33は、スクリーンのなかで豪快なドリフトを見せてくれました。特に立体駐車場でのドリフトバトルのシーンは、劇中のハイライトとして印象に残っている人も多いでしょう。

三菱 エクリプス

ドライバー:ブライアン、ローマン(タイリース・ギブソン)

三菱が北米市場向けに開発した、2ドアコンパクトクーペ。北米におけるスタリオンの後継モデルとして、1989年に登場しました。「ギャラン」のシャシーやパワートレインをベースに、4WDターボもラインナップ。あの「ランサーエボリューション」と同じ4G63型2.0Lターボを搭載するグレードを中心に、ハイパワーコンパクトとして北米市場で絶大なる支持を得ました。日本市場には、北米からの逆輸入車として90年から販売が開始されています。初代から2代目までは4G63が採用されていましたが、3代目からはベースのギャランと同様、2.4L直4と3.0L V6へと一新。モデルのキャラクター自体もラグジュアリー志向へと変化していきました。

劇中では、1作目に主人公ブライアンの愛車として2代目モデルが登場。続く2作目にも、ブライアンの旧友ローマンがスパイダーを使用し、エクリプスの北米での人気を不動のものとしました。

日産 240SX(S14型)

ドライバー:レティ(ミシェル・ロドリゲス)

日本における日産 シルビアの北米仕様。1.8Lや2.0Lのエンジンを搭載していた日本仕様と比べ、北米では2.4LのKA24DE型を使用していたため名称に240が入っています。初代は日本市場でいうところの「180SX」をベースにしたスペシャリティクーペで、リトラクタブルヘッドライトが特徴でした。2代目になると、S14型シルビアに2.4Lエンジンを搭載したモデルへと変わっています。このクラスでは珍しいFR方式のスポーツカーということで、当時から若者のモータースポーツ入門的なクルマとして圧倒的な支持を得ました。今でも、サーキット走行やドリフト走行のベース車として根強い人気があり、リセールも高値安定。海外でも爆発的な人気を誇ります。

劇中では、ドミニクの恋人役レティの愛車として初代作品へ登場した、マゼンタピンクの2代目240SXが一番のインパクトを与えました。特に、マツダRX-7を相手に圧勝するレースのシーンが有名です。

ホンダ S2000

ドライバー:スーキー(デヴォン青木)

ホンダの創立50周年を記念して発売した、本格2シータースポーツカー。2.0Lの超高回転型NAエンジンをフロントミッドに積んだ、S800以来ホンダでは28年ぶりのFR車でした。パワートレインだけでなく、ハイXボーンフレームと呼ばれた高剛性シャシーの構造も含め、すべてS2000専用に開発。他車に流用されることが一切なかった、近代では稀に見る贅沢なクルマです。オープンボディでもクローズドボディ並みの剛性を得ていたため、本格的なスポーツ走行にも十分に耐えられる性能を有している1台であり、サーキット愛好家にも好まれました。現在では、個体数の少なさもあり超高値で取引されているクルマでもあります。

劇中では、初代作品で敵対組織のリーダー格として登場。しかし、有名になったのは2作目のピンクに彩られた個体でしょう。女性ドライバーのスーキーの愛車として、ストリートレースを戦った姿が印象的でした。

日産 シルビア(S15型)

ドライバー:ショーン(ルーカス・ブラック)

スペシャリティカーとして不動の地位を築いていた「ホンダ プレリュード」に対抗するため登場した日産の5代目「シルビア(S13型)」。シンプルでモダンなデザインや、スポーツ走行が十分楽しめる動力性能、当時でも貴重だったコンパクトなFR、そして手軽に購入できる金額設定などの要素が重なり、歴代モデルで最高の30万台という販売台数を記録した大ヒット商品でした。シルビアは続くS14、S15型にもパワートレインやプラットフォームを継承しましたが、S14で一度3ナンバーサイズまで広がったボディをS15では5ナンバーサイズへとダウンサイジング。ドリフトやスポーツ走行などをサーキットで楽しめるようなスポーティな車種へと進化しましたが、クーペ市場の縮小に伴う販売台数の低下には勝てず。2002年に惜しくも生産を終えています。

劇中でのS15型シルビアは、3作目の主人公ショーンの愛車が一番印象的ではないでしょうか。のちに兄貴分ともなるハンから託されたブルーのS15は、初めてのドリフトバトルで大破。その後の練習用に貸し出されたクルマも、オレンジ色のボロボロなS15でした。ショーンの成長を支えた、作中でも重要な1台です。

ダッジ チャレンジャー

ドライバー:レティ

もともとは1970年に登場したポニーカーでしたが、2008年に復活した3代目モデルは現代のアメリカンマッスルカーとして認識されています。2ドアのノッチバッククーペボディは、全長5mを超える大型サイズ。下は3.5LのV6から、上は6.4LのV8まで、大排気量エンジンが数種類用意されていて、今も昔も変わらないFRレイアウトを採用している点もマッスルカーらしさを強調します。特にV8モデルでも、SRTの名がつくハイパワーグレードは人気が高く、700馬力を超えるモデルも見られるほど。国産車や欧州車ではなかなか味わえない、アメリカンマッスルカー独特の強烈な加速が楽しめます。

作中では、5作目以降に登場。ドミニクやレティが、その性能の高さゆえにおもに実戦用としてドライブする場面が多く描かれています。ハイウェイを使ったカーチェイスや、敵地への潜入ミッションなど、多くの実戦シーンで使用される場合が多く、7作目に登場したレティが操るグリーン/ブラックの鮮やかなカラーリングが印象に残っている人も多いでしょう。

<文=青山朋弘 写真=ステランティス/トヨタ/日産/マツダ/三菱/ホンダ>


この記事を書いた人

青山朋弘

【執筆者】青山朋弘

フリーランスライター兼編集者

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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