【魔改造「スバル BRZ」爆誕!】ラリー2カーに挑むべく4WD+ターボ化! ラリーフィールドのみで許された特別な1台を見逃すな!

【魔改造「スバル BRZ」爆誕!】ラリー2カーに挑むべく4WD+ターボ化! ラリーフィールドのみで許された特別な1台を見逃すな!

2026年6月25日

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「スバル」といえばラリー。そう考える人がほとんどだった1990年代後半を知るものからすれば、今のスバルのモータースポーツは少々物足りなさも感じていたかもしれません。かつては、WRC(世界ラリー選手権)をはじめとする世界中のラリーフィールドで、大活躍したスバル。

しかし、そんな過去の栄光が再来するかとも思えるくらい、インパクトを持った車両が誕生しました。そのクルマの名は「SUBARU Boxer Rally spec.Z」。頭文字からもわかるように、BRZをベースにしたラリーカーです。

舞台はJRC(全日本ラリー選手権)。ここ数年スバルはWRX S4をベースにした、ラリー専用車(JP4という特殊な車両規定)で戦ってきましたが、思ったような戦績は残せず。苦戦が続いた原因は、車両の大きさと重さが大きなウエイトを占めていました。

スバルのドライバーであり、日本人で唯一のラリー世界選手権チャンピオン、新井敏弘選手の腕を持ってしても、なかなかそのスピードが生かせることができなかったS4。狭くツイスティな林道のステージが大半を占めるJRCでは、回頭性が足りていなかったのです。ラリーの現場で見る新井選手の表情も、あまり明るくなかった印象でした。

しかし、その新井選手が久々に笑顔で話をしてくれ、印象的なキーワードを残してくれました。その場所は、年初の東京オートサロン。ここで個人的に話を聞いた際「魔改造」という言葉が新井選手から聞こえてきました。3年越しのラリーフィールドへ投入されるニューカー誕生に心躍ったのは、いうまでもありません。

そして、その「魔改造」が、今回紹介するBRZベースのニューラリーカーだったのです。

そんなBRZの説明の前に、今のJRCがどうなっているのかを知っておきましょう。現状のJRCは、FIA(世界自動車連盟)規定の「ラリー2」カテゴリーのクルマが選手権を席巻している状態。2019年から国内参戦が解禁されたラリー2カーは、それまでの国産ラリーカーに比べ1kmあたり2~3秒も速いため、まるで勝負にならなくなりました。

ラリー2とは、欧州で誕生した純レーシングカーの規定。サーキットレースであれば「GT3」カテゴリーに相当する規定です。GRヤリスやシュコダ ファビアなどの現状のラリー2勢に対抗するため、スバルはより改造範囲が広いJP4規定でラリーカーを製作。S4での経験を生かし、今回はBRZで挑むことにしたのです。

そのBRZには、市販車とはまったく違う改造が施されました。まず、駆動方式をFRから4WDへと変更。FA24型ボクサーエンジンは、型式こそ一緒なれど中身は別物ともいえるターボユニットを装着(BRZ用をターボ化していてS4用ではあらず)。ボディの形状も大幅にワイド化(ノーマル比+45mm)され、純ラリーカー然としたフォルムに仕上がっています。

「ボディの大きさはもう根本的な問題だからどうしようもない。回頭性がよくなければ、ラリーでは勝てないですよ」と、これまでのS4で新井選手が語ってきたネガを、すべて解消するべくセレクトされたBRZ。新井選手はオフィシャルのコメントでも「苦労してきた課題がほぼ解消された」と、ドライブした印象を語っています。

デビュー戦となったJRC第3戦「ラリー・飛鳥」では、さまざまなトラブルを抱えながらもなんとか完走。クラス5位を獲得しています。もちろんメカニカルな部分やセッティングなど、クルマの熟成が大きな課題とはなってはいるものの、テストではわからなかった問題も多く見つかったようです。そのひとつが暑さ対策。

ラリー中、車内温度は相当上昇していたようで、クルー(ドライバー新井敏弘選手/コ・ドライバー安藤裕一選手)の2人は汗だくで疲労困憊状態。5月の時点でこれだと、これからの夏の季節が思いやられます。クルーの命にも関わりますので、なんとか車内の空気が流れるように加工を施すでしょう。

そんな魔改造BRZは、今季のJRCでその勇姿が見られます。デビュー戦のラリー飛鳥では、クラス5位でフィニッシュ。そして6/19~21に開催されたばかりの「久万高原ラリー」では、初日にエンジントラブルによるリタイアとなりましたが、翌日に再出走を果たし着々と貴重な実戦データを集めています。今後すべてのJRCイベントにエントリー予定ですが、どのくらいラリー2勢に迫れるかに注目です。スバルは「もう一度表彰台争いに挑む」ためだと、BRZ投入の理由を語っています。魔改造とはいうものの、JP4規定自体は過去のグループAに近いこともあり、市販車への技術フィードバックも期待されます。

今後のJRCでのBRZの活躍、そしてスバルの市販車の進化と、ますます目が離せないJRC。はたしてラリーのスバル、復活なるか。全国各地で開催されますので、ぜひその勇姿を生で観戦してみてください!

<文=青山朋弘 写真=山本佳吾>


この記事を書いた人

青山朋弘

【執筆者】青山朋弘

フリーランスライター兼編集者

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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