想像よりも伸び悩んでる? 最新技術満載で登場した新型RAV4の詳細解説。足踏みしている理由とリセールの最新状況とは?

想像よりも伸び悩んでる? 最新技術満載で登場した新型RAV4の詳細解説。足踏みしている理由とリセールの最新状況とは?

2026年5月28日

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トヨタのグローバルモデルとして全世界で好調な販売実績を残してきた、ミドルサイズSUV「RAV4」が2025年の12月にフルモデルチェンジを実施しました。話題のモデルであり、クラストップの販売台数を誇っていた人気モデルの新型は、はたしてどんなクルマに仕上がっているのでしょう。デビューから5ヶ月以上経った現状も踏まえてお送りします。

◆モデルチェンジの3つの柱とは?

19年に国内市場へ復活をはたし、登場以来クラスのトップセラーとして君臨し続けてきた先代のRAV4。ハイブリッド(HEV)とガソリン車、そしてプラグインハイブリッド(PHEV)と、多彩なパワートレインから選べ、そのラギッド感の高いデザインが多くの人に支持されました。これらのイメージを受け継ぎながら、6代目のRAV4にはトヨタの最新テクノロジーがふんだんに盛り込まれています。

プラットフォームの種類こそ従来からと同じ「GA-K」を使用していますが、そのままキャリーオーバーするわけではなく、刷新された中身に合わせ大幅に改良されています。具体的には、各接合部の強化や、構造用接着剤の範囲拡大などが施され、車体自体の剛性が向上。ハイブリッドシステムも新しくなっているため、バッテリーの配置も最適化されました。これらは、乗り心地や静粛性の進化に役立っています。

6代目の開発には、3つのキーワードが設定されました。「電動化」「多様化」「知能化」を軸に、それぞれの分野に最新技術が投入されています。

◆ハイブリッドのみのパワートレインで電動化

パワートレインがハイブリッドのみのラインナップになったことは、登場時に大きなトピックとなりましたが、これこそが1つ目のキーワードである「電動化」です。先代ではラインナップしていたICE車(ガソリンエンジン)は姿を消し、HEVとPHEVから選べるようになっています。

HEVは、先代同様2.5L直4ガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせではあるものの、ハイブリッドシステムは刷新されました。第5世代と呼ばれる新しいシステムは、PCU(パワーコントロールユニット)やトランスアクスルの小型化が図られ、軽量化も実現。モーターも出力が高くなり、加速時のレスポンス向上、電気的な損失低減、静粛性の向上など、総合的に性能がアップしています。システムの最高出力は、旧型の163kW(222馬力)から177kW(240馬力)へと向上し、E-Four(電気式4WD)によって四輪へと伝えられます。

刷新されたのはHEVだけではありません。PHEVには、トヨタで初採用となる新世代のシステムが与えられました。ベースとなる部分はHEVと共通ですので、例えばエンジンは完全に同じなのですが、電動部分が大きく異なっています。大幅に出力アップされたフロントモーターと、大容量バッテリーの採用により、システム最高出力は242kW(329馬力)にまで到達。さらにPCUも専用に強化され、一充電EV航続距離は従来の95kmから約150kmにまで伸ばしています。

PHEVは、日常のほぼすべてが電動ですむ場合もあるほど、電動領域の広いクルマに仕上がっています。そうかと思えば、いざという時にハイパワーユニットの本領を発揮したスポーティな走行も可能。電動車の特徴を存分に生かしたパワーユニットだといえるでしょう。アウトドア派には嬉しい、1500Wの給電機能ももちろん付いてきます。

◆どの顔がお好み? 選べる3種のフェイス

3種のグレードが用意されている6代目RAV4ですが、グレードによって変わるエクステリアデザインも、登場時に話題を呼びました。他車にはないラギッド感が魅力の「アドベンチャー」はベースグレードとなり、上級のプレミアム仕様「Z」、そして今回新設されたスポーティな「GRスポーツ」。それぞれに違うフェイスが与えられ、多彩なニーズに応えられるようになっています。2つ目の柱「多様化」は、このトリプルフェイス展開を示しています。

3つの顔は、最新“トヨタ顔”の象徴ともいえるデザイン「ハンマーヘッド」を採用したZが元になって派生しています。アドベンチャーは、Zからさらにラギッド感を強めたスタイリングに。そしてGRスポーツは、エアロダイナミクスに基づくダウンフォースを生み出すデザインを採用しました。これらのデザインの違いは、フロントのみにとどまらずボディ全体にもおよび、グレードごとの個性を強く表現しています。

すべてのグレードでHEVとPHEVが選べるわけではないことも、グレードの個性を主張する部分です。選べるパワーユニットがグレードごとに決められています。HEVもPHEVも選べるのは、Zのみ。アドベンチャーはHEV専用、GRスポーツはPHEV専用のグレードとなっています。

◆ソフトウェアの部門でも大幅に進化

最後の3つ目の柱「知能化」には、トヨタの最新ソフトウェアが大きな役割を担っています。「Arene(アリーン)」と呼ばれる新開発OSは、安全・先進機能をより進化させるために開発され、この6代目RAV4が初搭載となりました。OTA(無線通信)によるアップデートが随時可能になるArene搭載車では、ナビゲーションの地図はもちろんのこと、トヨタセーフティセンスなどのADAS(先進運転支援システム)関連や、そのほかのソフトウェアが常に最新版へと進化し続けるようになりました。

Areneのメリットは、昨今搭載車が増えている音声認識機能にも生かされました。AIエージェントの応答速度は、従来の3.6秒からわずか1秒に短縮。今までよりも自然な応答が返ってくることも特徴となっています。12.9インチの大型センターディスプレイでは、スマートフォンのような滑らかな操作感を実現し、さらにはオーナーそれぞれのカスタマイズにも幅広く対応可能。コックピット周辺の快適性を大幅に向上させました。

このAreneは、RAV4を筆頭にこれから搭載車種が増えていくようで、新たなトヨタ車のシステム系プラットフォームとなります。

◆伸び悩む販売の理由とは?

さて、ここまで新型RAV4の特徴について解説したわけですが、じつはイイことばかりではないのが今回のモデルチェンジなのです。一番気になる価格のことに触れると、驚く人も多いでしょう。この6代目のRAV4は、従来型に比べ大幅に値上がりしてしまったのです。

全車ハイブリッド化が一番大きく影響していることは理解できるのですが、一番安価な「アドベンチャー」グレードでも450万円スタート。もっとも高価なPHEVの「GRスポーツ」に至っては630万円というプライスタグを掲げることになりました。先代モデルが約330万円から購入できたことを考えると、どうしても値上がり感は否めません。

これは販売台数にも当然影響を与えています。自販連のデータでは、発売直後の26年1月では全体で34位。納車ペースが増える2月以降ランクを上げますが19位、3月=12位、4月=16位と、新車効果の期待できる時期でもベスト10に入ることが一度もありませんでした。先代の売れ行きを知る人からすれば、不思議に思う結果といえます。

さらに詳しくみると、1、2月に限っては同じトヨタの同クラス人気車「ハリアー」が、RAV4の販売台数を上まわっていることがわかりました。ハリアーは20年に登場しているクルマですが、車格はRAV4よりも高級。しかし、ベースグレードは371万円から購入できるため価格が逆転してしまっているのです。RAV4の新型を購入するつもりだった人が、ハリアーもしくは「カローラクロス」などの他車に流れていることは、この販売台数を見ても容易に想像がつきます。

◆今後のRAV4はどうなる?

しかし、RAV4の人気が完全に沈黙しているわけではありません。販売台数が登場以来ベスト20以内をキープしている点は、さすがだといえます。先代のようにICE(内燃機関)車を追加すれば、販売台数がもっと伸びると考える人もなかには居るかもしれません。ただ、せっかく全車ハイブリッドとしてデビューさせたのですから、今後すぐにICE車が追加されるとは考えにくいもの。可能性は低いと考えられます。

そうなると、先代の中古車市場にも影響が出てきます。26年5月現在で、5代目の中古車平均相場は300万円を上まわる高値をキープ中。ラギッド感を前面に出したデザインが高い人気を誇っていた5代目モデルは、まだまだ市場で人気の高い車種だといえるでしょう。今後もしばらくは、買取も含め高値安定が続くと予想されます。

6代目の購入を検討している人にとっては、価格は大きな問題となるかもしれません。しかし、前述の最新技術満載な点や、ハイブリッドの高い性能、そしてラギッド感あふれるRAV4らしいデザインは確実に高い人気をキープします。何年か後に手放す際にも、高額の買取が期待できるクルマだといえるでしょう。

<文=青山朋弘 写真=トヨタ>


この記事を書いた人

青山朋弘

【執筆者】青山朋弘

フリーランスライター兼編集者

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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