◆全国産車のなかでのベストセラーカー
突然ですが、みなさんは日本で今一番販売台数の多いクルマをご存知でしょうか? かつてはカローラやヤリス、フィットなども名を連ねた販売台数ランキングトップの座。ここに何年も連続で居座り続けている、化け物グルマがいます。それが、今回紹介するホンダのトールワゴン軽自動車「N-BOX」。登録車も含めた新車販売台数を5年連続で首位、軽自動車に限っていえばなんと11年もその王座を守り続けている、大人気車なのです。

N-BOXは、現行モデルが3代目にあたります。2023年10月に登場した3代目は、先代のプラットフォームをキャリーオーバーし熟成度を高めてきたことが登場時には話題になりました。いい意味で軽自動車らしくない、登録車のような上質な乗り味はN-BOX最大の特徴。コンパクトカーなどの登録車から乗り換える、“ダウンサイジング”ユーザーをも納得させるハイクオリティぶりは、他メーカーのベンチマークにもなり続けている存在です。

登場から3年を迎えようという26年7月16日、ホンダは売りに売れているN-BOXにマイナーチェンジを実施しました。今回の記事ではその内容を紹介するとともに、気になるリセール状況もお伝えします。
◆外観を大きく変えてきたカスタム

3代目N-BOXとしては2度目の改良となり、23年10月のフルモデルチェンジから約2年9か月での大幅改良となった今回のマイナーチェンジ。初めて外観に大幅なメスがが入りました。「ノーマル」、「ジョイ」、「カスタム」と3種それぞれ改良されてはいますが、一番大きく変わったのはエアログレードの「カスタム」で、特にフロントマスクの意匠を刷新していることが大きな特徴です。

「強いカタマリ」というコンセプトでリデザインされた、N-BOXカスタムのマイナーチェンジモデル。クロームメッキを大胆にあしらった大型のフロントグリルは、今までのカスタムのイメージを一新させる押し出し感の強さを持ったデザインです。他グレードのノーマルやジョイで見せる愛くるしい表情とは真逆の、迫力や力強さを表現し、横一文字に伸びるアクセサリーLEDや、スクエア形状のフォグランプも相まってクールなフロントマスクを印象付けています。

フロントの大幅刷新とともにリアも変更を受けています。コンビネーションランプには、カスタムオリジナルの点灯パターンを配した専用品を採用。そのコンビランプを繋ぐガーニッシュ加飾や、ボディ同色バンパー、バンパーロア部のメッキ加飾など専用品を随所に散りばめ、フロント同様の迫力さと上質感を表現しました。


インテリアでは、全体のカラーをブラック基調で統一。イルミネーションをナイトブルーへ変更しクールさを演出します。さらに、カスタムには、マイナーチェンジ前と同様「コーディネートスタイル」というグレードも設定。こちらはボディカラーに2トーンをセレクトできることに加え、外観のクローム部がすべてダーククロームへと変更されるカスタムが施されています。


◆ノーマルとジョイはだいぶ控えめな変更

クールさを前面に押し出したカスタムとは対照的に、ノーマルとジョイには大幅な変更は行われていません。ノーマルではフロントバンパーのロアグリルと、リアのガーニッシュにメッキ加飾を追加。ボディカラーが2トーンになる「ファッションスタイル」では、ホワイトルーフが選べるようになりました。


アウトドアシーンで映えるギア感を演出したジョイでは、特別仕様車の「ブラックスタイル」を設定。ヘッドライトガーニッシュや各エンブレム、ホイールキャップなどにブラック加飾を施し、インテリアにもブラックチェック柄のシートやピアノブラック加飾を追加。アクティブな大人っぽさを演出しています。そのほかの変更点では、フロントグリルにHONDAのレターロゴを配した「アクティブフェイスパッケージ」をターボ車とブラックスタイル各グレードに標準化しました。


カスタムも含めた全車の変更点では、快適装備の標準化がトピックとなっています。フロントシートの中央後端にUSBのタイプCポート(3A)を2つ追加し、スマートフォンなどの急速充電に対応。フロントシートバックのポケットや、車速連動型ワイパーなども新たに標準装備化しています。


上位グレードでは、9インチホンダコネクトナビ、ETC2.0車載器、ステアリングヒーター、本革巻きステアリングホイール&シフトノブ、LEDルームランプなども標準化。快適性をさらに高めています。



改良後の価格は、ノーマルが176.9~201.3万円、カスタムが199.4~274.3万円、ジョイが198.1~273.8万円となっています。
◆リセールがいいN-BOXだからこそ

と、ここまでN-BOXのマイナーチェンジにおける変更点を紹介してきましたが、今の中古車市場を含めたN-BOXのリセール状況も確認しておきましょう。

26年8月現在の中古車市場では、3代目N-BOXの中古車は約1万台ほど流通していて、販売価格の平均相場が170万円ほどで推移。年式別のボリュームゾーンは、23、24年式が140~160万円、25、26年式は150~190万円がそれぞれ多く分布しています。現行モデルは流通台数も多いですが、平均走行距離が5500kmと低走行車が非常に多い状況となっていることもあり相場は非常に高値です。

対して、先代モデルの2代目N-BOXはどうでしょう。17年に発売し23年まで生産された2代目は、現行の3代目へとつながるプラットフォームを新規で採用し、走りの質感を大幅に高めたモデルでした。現在でも平均相場は124万円ほどと、年式から見ればかなりの高値で取引されています。流通台数も1.2万台ほどですので、人気のあるクルマということがわかります。

もし、いま現在2代目に乗っていて買い替えを検討しているのであれば、リセールのいい今のタイミングは最適かもしれません。走行距離やほかの条件にもよりますが、相場の状況を見れば2代目も高額買取がまだまだ期待できるといえるでしょう。実際に21年式以降の後期モデルでは、150万円以上のプライスタグを付けている中古車もあるほど。今後相場は下降していく一方ということを考慮すれば、車検などのタイミングで新型に乗り換えることは賢明な判断だといえるでしょう。

◆初月で2万台以上販売された人気ぶり
マイナーチェンジが実施された人気車N-BOXですが、前述の通り現行3代目モデルの中古車はかなり高額です。正直、3代目の中古を狙うのなら、保証面なども含め新車を購入した方がメリットがあると考える人も多いでしょう。今の中古車相場から考えれば、いま新車を買ってしまってもしばらくはリセールも安定しているはずです。

軽自動車全体のクオリティを劇的に向上させる切っ掛けとなった、クオリティの高さはマイナーチェンジ後も当然健在。ますます魅力的になった新型N-BOXは、登場初月の26年7月だけですでに2.2万台を売り上げました。その大人気ぶりは、まだしばらく続きそうです。
<文=青山朋弘 写真=ホンダ>










