アクアの買取参考相場と傾向
現行の2代目モデルが2021年の発売ですので、中古車市場にも初代と2代目の両方がすでに流通しています。しかし23年9月の時点では2代目の流通量はまだまだ少なく、アクア全体の流通量が約6000台に対し、2代目の台数はわずか300台ほど。2代目は人気が高いため価格も高値をキープしています。買取市場でも引くて数多の人気車ですので、しばらくは高値が期待できるでしょう。
それに比べ初代アクアは、新車当時の販売台数が非常に多かったためあらゆる条件の個体が存在しています。供給量が多いとなると買取額はそんなに期待しないほうがよろしいかもしれません。
10年という長いモデルサイクルの中で、初代アクアは13年と17年に2度のマイナーチェンジを実施しています。それぞれ前/中/後期と分けると、当然ながら高年式かつ台数も少ない後期モデルが一番高値がつきやすくなります。前期型は特に走行距離が多い個体が増えてくることもありますが、前期と後期では買取額の差が2~3倍にまで開く場合もあるほどです。
中期型は、モデルライフの途中(15年11月の一部改良)でADAS(先進安全運転支援システム)のセーフティセンスCを標準装備化しています。ADASは後には取り付けられないシステムですので、付いていれば査定額はいくらかプラスになるでしょう。
前期型は走行距離が伸びている個体も多いですが、ハイブリッド専用車ということもあって、どんなに安くても10数万円の買取額がつくことが多いです。通常の中古車のセオリー通り、走行距離が少なく内外装のきれいな個体ほど、買取額は高くなるでしょう。
そんな初代アクアですが、グレードによっては高値がつく場合もあります。SUV風のデザインを施したX-URBANやクロスオーバー、そしてスポーティなG’sやGRスポーツなどの特徴的なグレードは人気が特に高く、なおかつ流通台数が少ないため高値で取引されています。標準的なグレードからは想像もできないほど高値で買い取られる可能性もあるでしょう。
アクアの買取時の注意点
アクアには、改造できるアフターパーツがそこまで多く出回っていません。中古車市場にある個体のほとんどが、ノーマルに近いモデルとなります。通常の中古車でのセオリー通り、内外装がきれいで使用感があまり感じられない個体ほど高値のつく可能性が大きくなるでしょう。
走行距離が多めの個体が多いことも、アクアの特徴といえます。営業車として使用されていたビジネスグレードでなくても、10万kmオーバーの個体が比較的多めに存在しています。日頃からメンテナンスがしっかりされていて、記録簿がしっかりと記載されている個体は信用度が高くなるため、プラス評価がつく場合もあります。
アクアの概要
登場した2011年当時、トヨタのラインナップ中で最小となるハイブリッド専用車としてアクアはデビューしました。Bセグメントのコンパクトハッチバックは、プリウスと同様に空気抵抗の少ないエアロボディを採用。当時の量産車世界最高となる燃費性能を実現していました。登場した頃の日本の自動車業界は、まさにエコカーブーム真っ只中だったこともあり、手頃な5ナンバーサイズのアクアは大ヒット。21年には2代目へとフルモデルチェンジしますが、現在でもすべての国産車で2位の燃費性能を誇ります。
アクアを高く買い取ってもらうコツ
ハイブリッド+コンパクトカーという新常識を世に広め、低燃費性能は右に出るものがいなかったアクア。新車価格が200万円前後ということもあり大ヒットした初代は、中古車市場では飽和状態と言わんばかりに出回っています。流通台数がまだ少ない21年登場の2代目ではなく、ここでは初代アクアを中心に詳しく見てみましょう。
アクアの人気グレード
G/S/Lの3グレード構成でスタートしていますが、もっとも多くの販売台数を稼いだのは、標準仕様のSでした。Gは上級仕様であるため、本革巻きステアリングやスウェード調のシートなど上級装備が与えられ、Lは最廉価のビジネスユースグレードです。SよりはGの方が買取額が高い場合もありますが、実際はSとGのグレード間での差はほとんどなく、走行距離や状態の良し悪しで差が出る場合の方が多く見られます。
ビジネスユースのLは、装備が簡素化されている上に、営業車として使われている個体が多いため走行距離が長くなりがちです。しかし、走行用バッテリーをリアシート下に搭載しているためラゲッジルームの容量がしっかりと確保されている点や、世界トップクラスの燃費性能から、じつはビジネスカーとして優秀です。買取の額面は標準的なグレードよりも低くなりがちですが、商用車に強いお店であればそれなりの評価を得るかもしれません。
標準グレードではなく特徴的なグレードになれば、買取額の大幅上乗せも期待できます。SUV風のスタイリングが特徴のX-URBANやクロスオーバー、スポーティ仕様のG’sやGRスポーツなどがそれらに該当します。標準グレードの台数が多すぎるという側面もありますが、このような特殊なグレードは数が少ないレアな存在になりがちです。特に、モータースポーツでワークス活動を担うトヨタGAZOOレーシングが開発に関与しているG’sとGRスポーツは、根強い人気を誇るため高値で安定しています。条件次第でもありますが、標準グレードの2~3倍以上も評価が高くなることもあるでしょう。
アクアの人気カラー
登場当初から10色ものボディカラーが用意されていたアクアですが、人気の色となるとやはり白、黒、シルバーの比率が高くなります。際廉価のLグレードではなくてもビジネスカーとして使われることが多かったためか、中でも特に白とシルバーの比率が高くなっています。
しかし、新車時の価格が安価なこともあり、ボディカラーだけでは買取額に大きな差が出ることはほぼないでしょう。むしろ他の条件のほうが、影響は大きいと思われます。
アクアの人気オプション
登場当時からパッケージオプションが豊富に用意されていたことも、初代アクアの特徴です。スマートエントリー/LEDヘッドランプ/ツーリング/ビューティー/アドバンストディスプレイ/ナビレディ/オーディオ、と7つものパッケージが用意されていました。
この中では、スマートエントリーとLEDヘッドランプの人気が高く、これらが付いている個体も中古車市場には多く出ています。特にスマートエントリーはスマートキーを持っているだけで、ドアのロック/アンロックやエンジンスタートボタンが操作可能なキーレスシステムです。