ジムニーの買取参考相場と傾向
日本だけでなく世界でも唯一といえる、スモールカーサイズの本格SUVであるジムニーは、2018年に登場した現行の4代目モデルが爆発的なヒットを見せています。その人気ぶりは、登場から5年経った今でも6ヶ月~1年の納期がかかるほど。軽自動車ではいまだかつて見たことないような人気ぶりを見せています。
そんな4代目ジムニーは、中古車市場でもとてつもない人気を誇ります。買取では150万円を超えることが珍しくなく、中古車市場では200万円以下の個体がなかなか見つからないほど。通常中古車の価格設定に意味を持つであろう新車の価格設定(155.5~190.3万円)が、すでに意味のないものになりつつあります。
4代目の人気と価格の高騰ぶりは、供給の少ないことが招いた異常事態ですが、もともとジムニーは高値で取引されるクルマではありました。その証拠に、中古車市場の相場を見てみると3代目の平均価格が約80万円、2代目のほうはなんと約83万円と、年式を考えれば法外な価格にまで高騰しています。ジムニーはある一定の需要がもともとあるため、同年代の軽自動車と比べても買取額が高くつくことが多々あります。それに加え、4代目の人気が飛び火していたので昨今は特に高騰していました。
しかしながら、そんなジムニーの人気も少しづつですが緩やかに下降しています。その理由は、5ドアの存在が明らかになったからです。
ジムニーには、5ドアの待望論が4代目登場時から上がっていました。ずっとうわさになっては広報担当が導入予定なしと応えていましたが、最近になって日本ではなく海外で先に5ドアが発売されたのです。5ドアは軽自動車ではなく、登録車のジムニーシエラをベースにしたロングボディで、実際に国内型式認定の認可待ちとも報道されています。
こうなると、ジムニーに興味がある人たちの視点は、完全に5ドアへと向いてしまいます。これが、相場が下降している1番の原因です。今後、5ドアの導入が正式に決まれば、ジムニーの需要は大半が5ドアになってしまうことも予想されます。とはいえ、ジムニーは軽自動車でもありますので、軽自動車の維持費を優先する人や、仕事の関係でどうしても軽自動車のジムニーでないとダメな人などの需要はしっかりと残るでしょう。
今より需要が少なくなれば、買取価格も下降します。ジムニーの売却を考えている人は、今すぐを強くオススメします。5ドアが発表される前に、できる限り売却を検討してください。
ジムニーの買取時の注意点
ほかの車種と違い、ジムニーの場合は改造されていても買取額に影響がない場合があります。それはカスタムされているジムニーにも需要があるからです。リフトアップしている車両など、定番カスタムはむしろされているほうが高値がつくほどです。ノーマルに戻す前に、カスタム仕様のまま買取査定をするのもアリです。
あとは、ジムニー特有の使用感はなるべくなくすようにしましょう。アウトドアでの使用特有の、内装の砂汚れやシートの使用感、アンダーボディの傷など、直せない部分以外はなるべくきれいに仕上げて査定に出すのが、高価買取の近道となるでしょう。
ジムニーの概要
スズキが世界に誇るスモールクロカンのジムニー。本格的なパートタイム4WDを搭載したラダーフレーム構造のSUVです。日本にはジムニーでしか入れない未舗装路の林道がまだまだ多く、山間部や積雪地の作業現場で働くプロの人たちが愛用するクルマでもあります。その軽いボディを活かした悪路走破性は、もはや日本だけにはとどまらず海外でも多くの支持を獲得しました。
角ばったデザインに回帰した現行の4代目は、アウトドアブームと相まって発売からずっとバックオーダーを抱えるほどの大人気ぶり。登場から5年経った今でも6ヶ月~1年以上の納期がかかるほどです。
ジムニーを高く買い取ってもらうコツ
軽自動車で唯一の本格クロカン4WDのジムニーは、ライバル車がいない唯一無二の存在でもあります。現行の4代目は過去のモデルに比べオンロードでの走行性能を大幅に向上させているため、普段の乗り心地や使い勝手も不便を感じることは少ないでしょう。
登場以来ずっと人気が衰えることはなく、相場は高値をキープしていますが、ここからはさらに査定アップにつながる人気のカラーやオプションを紹介していきます。
ジムニーの人気グレード
4代目ジムニーには3つのグレードが設定されていて、上級からXC/XL/XGの順となっています。XCは2トーンのボディカラーが選べる唯一のグレードとなるほか、XLに比べ、オートレベリング機能付きLEDヘッドライト、LEDウインカー付きドアミラー、アルミホイール(16インチ)、クルーズコントロール、本革巻きステアリング、ステアリングオーディオスイッチ、インテリア各所のメッキ加飾などが追加されています。
やはり一番人気があるのはこのXCですが、買取価格に関しては3グレードにさほど差が出ていないというのが現状です。これはジムニーの需要が高すぎるという背景があるからで、とにかく中古車販売店からは引く手あまたの状態。もはやグレードを気にしている場合ではないようです。当然のように買取価格は高くなるのですが、これは元を正せばメーカー側の供給台数不足が招いた結果ということです。ジムニーはその特殊な構造上、大量生産することが非常に難しいクルマでもあります。生産台数が足りないことはスズキももちろんわかっていますが、なかなか増やせない理由もあるのです。
バックオーダーがなかなか解消できないため、今までの歴代ジムニーの恒例ともなっていた特別仕様車や限定車が4代目には一切存在しません。本当は企画していたのかもしれませんが、スズキ側もそんな場合ではありません。一刻も早くバックオーダーを解消できるように、まずは生産台数を稼ぐことに全力を注いでいる状況なのです。
一方で中古車市場では、まだ3代目の台数が一番豊富です。特別仕様車のランドベンチャーなどは、そのなかでも特に人気が高いので買取も高値が期待できるでしょう。4代目ほどではないにしても、3代目、2代目のジムニーは高価買取が多く見られるクルマです。オフロード車とはいえど、やはり使用感があると懸念される傾向にありますので、売却の際にはできる限りきれいな状態で査定に臨みましょう。
ジムニーの人気カラー
4代目登場時から一番人気のボディカラーは、ずっと変わらないようです。ジャングルグリーンと呼ばれるダークグリーンがそれで、緑に覆われた森で行動するハンターや森林警備隊が着用するような目立ちにくいロービジビリティカラーをイメージしています。ジムニーのイメージにぴったりの色でもあり、白、黒、シルバーの王道が通じないところもジムニーらしいところです。
ベージュ系のアースカラーとも呼べる、シフォンアイボリーメタリックも人気のカラーです。ジャングルグリーンも含め、アウトドアシーンで映える色というよりも、自然のなかでも馴染む色のほうが人気が高いようです。
ジムニーの人気オプション
アウトドアブームに乗じた豊富なオプションが用意されているのも、ジムニーの特徴です。メーカーが用意したオプションには、定番のマッドフラップやルーフキャリアなどに加え、ジムニーらしい背面スペアタイヤカバーも人気のオプションとなっています。2代目ジムニーで採用していたデザインが4代目でも復活したことが、登場時にはトピックにもなりました。特にサイの横姿を模したデザインはジムニーのキャラクターとしても定着し、タイヤカバーだけでなくフロアマットやほかのパーツにも使用されています。
ジムニーらしいオプションといえば、車高を上げるリフトアップも定番カスタムといえるほど浸透しています。こちらはメーカー純正ではありませんので、すべてサードパーティーが販売しているリフトアップキットを購入し装着することとなります。さまざまなメーカーやショップがキットをリリースしていて、車高の上がり具合もいろいろ用意されていますので、自分好みのものは見つけやすいかもしれません。そして、こういったカスタムを施した個体も買取相場では高値で取引されているのが、ジムニーの特徴です。それだけ需要があり、人気があることの裏付けといえるでしょう。