X5の買取参考相場と傾向
BMW・X5の買取相場は高い水準で推移しています。
X5は2000年に登場した、BMW初のSUVモデルです。SUVモデルが少なかった当時、市場に大きな影響を与え、SUVの人気に火をつけたモデルといえるでしょう。
ちなみにBMWではSUVではなくSAV(Spots Activity Vehicle)と呼んでおり、オフロードはもちろんオンロードでもスポーティな走行ができるモデルとして差別化を図っています。
初代モデルのエンジンの排気量は3.0L・4.4L・4.6L・4.8Lで、最高出力は231〜360PS。FRベースのフルタイム4WDを採用していました。
2007年にフルモデルチェンジを行い、2代目が登場。排気量は3Lと4.8Lの2種類で展開し、ガソリン車に加えディーゼル車のラインナップ、M Sports仕様も追加されました。
室内空間の拡大とオプションにより、7人乗り3列シートを選択できるようになったのも大きな変更点といえます。
2008年には、X5の安全性能やセキュリティを大幅に改良した「X5 セキュリティ」、2009年には「X5 セキュリティプラス」が登場。さらに、2010年のマイナーチェンジで排気量は3Lと4.4Lの展開となり、2012年には3Lのディーゼルターボエンジンモデルも追加されました。
2代目の買取相場は、45万〜110万円程度です。
2013年にフルモデルチェンジし、3代目が登場。ガソリン車とディーゼル車に加え、プラグインハイブリッドモデルがラインナップされています。外観としては、ヘッドランプとキドニーグリルがつながり、正面からの印象が変わりました。
3代目の買取相場は200万〜300万円程度です。
2019年には4代目が登場。ラインナップは3代目と同様に、ガソリン・ディーゼル・プラグインハイブリッドで展開されています。
特筆すべきは、プラグインハイブリッドモデルです。外部からの充電可能なバッテリー容量が3代目より大きく、EV走行は80kmも可能。日常使いなら、EVのみでもまかなえるのではないでしょうか。
外観の変更点としては、ボディサイズ・ホイールベースの拡大でさらに迫力ある車体となったこと、キドニーグリルの大型化などが挙げられます。
また、最高出力530PSのハイパフォーマンスモデルの「M50i」も登場。パワーだけでなく、悪路でも安定した走りができる装備が搭載されており、多様なシーンで乗車する人の需要に応えています。
2020年には最上級グレードの「M Competition」が登場。最高出力はなんと625PS。サーキットモデルとも呼ばれるほどで、アグレッシブな走行も楽しめるでしょう。
4代目の買取相場は450万円以上。年式の新しさもあり、高額査定が期待できます。
BMW・X5を高く買い取ってもらうなら、新型モデルが発売される前がおすすめです。売却を検討しているなら、モデルチェンジの情報はチェックしておきましょう。
X5の買取時の注意点
BMW・X5の買取の際には、年式と走行距離が大きく影響します。
特に走行距離の長さによる査定の下落は避けられません。一般的に5万kmを越えると買取価格が下がる傾向があるため、売却を検討しているなら、走行距離に注意して早めに査定を依頼しましょう。
さらに、新型モデルが登場すると、それ以前のモデルの買取価格は下がります。そのため、モデルチェンジの情報は定期的にチェックしておくと良いでしょう。
また、査定の前に車を綺麗にしておくことも重要です。内外装を綺麗にし、直せる箇所は直しておくと、マイナス査定を防ぎましょう。
X5を高く買い取ってもらうコツ
BMW・X5は、高級SUVとして20年以上の歴史を誇るモデルです。ラインナップは、ガソリン・ディーゼル・プラグインハイブリッドとユーザーの選択肢も多く、日本では特にディーゼルモデルの人気が高いといえるでしょう。
中古車市場でも需要は高い一方、グレードや仕様により価格差も大きい状態です。そこで、買取価格に影響しうる人気グレードやプラス査定となりやすい人気のオプション等について以下で解説します。
X5の人気グレード
BMW・X5はグレード展開が多彩であり、ガソリン車(i)・ディーゼル車(d)・プラグインハイブリッド車(e)や排気量で大別されています。
グレードの名称が若干わかりにくいかもしれませんが、数字は大まかに排気量やエンジンスペックの高さ、末尾のアルファベットはエンジンを表しています。
基本のグレードに加えて、デザインの特別仕様もあり、スポーティな外観の「M Sports」や高級感あふれる「xLine」も用意されています。そのなかでも人気のグレードは以下の通りです。
xDrive35d M Sports
sDrive35i
xDrive40e
xDrive50i
M50i
「xDrive35d M Sports」は実質エントリーモデルといえるグレードです。ディーゼルとターボチャージャーを組み合わせており、燃費性能と走行性能を両立しています。
スタンダード仕様よりもM Sports仕様の方が圧倒的に人気であり、外観の違いは、専用のフロント・リアバンパー・サイドスカート装着や前後左右のボディの同色化など。また、シートの快適装備を搭載するなど、外装以外にも嬉しい機能があるのも特徴です。
このグレードは特に日本で好評であり、「加速がガソリン車と遜色ない」「ディーゼルだけどエンジン音が気にならない」などの高い評価を受けています。近年の原油価格の高騰により燃料代が気になる人は多く、ランニングコスト軽減の面からも需要が高いといえるでしょう。
買取相場は、561万〜702万円程度。購入時の価格を考えると高額といえます。
「sDrive35i」は2〜3代目で採用された2WDモデル。30iより排気量をアップし、ターボチャージャー搭載で大幅にパワーアップしています。
特に3代目では、5人乗りと7人乗りがラインナップされているのも特徴で、人気はあるものの、流通台数は少ない状態です。
「xDrive45e」はプラグインハイブリッド仕様のモデルです。通常のハイブリッド車と異なり、自宅でも充電ができることから、電気自動車のような利便性も兼ね備えています。1回の充電で約80kmのEV走行が可能であり、近距離の移動ならEVのみで可能といえるでしょう。
また、ハイブリッドならではの静粛性も特徴で、静かさは他のモデルよりも群を抜いています。
その他の機能面では、路面状況等に応じてホイールごとの高さを調整する「4輪アダプティブ・エア・サスペンション」が標準装備。さらに、ドライビングモードもスポーツ・ハイブリッド・エレクトリック・アダプティブから任意に選択できるメリットもあります。
また、バッテリーコントロールスイッチがあり、走行中のバッテリー充電が可能です。設定した充電量に達するまでエンジン駆動のみで走行できるため、自宅等に充電設備がなくてもマイカーとして保有しやすいでしょう。
買取相場は、171万〜213万円程度。
「xDrive50i」は2010年に登場した35iの上級グレード。V型8気筒ターボエンジンでさらにパワフルな走りが楽しめます。外観では、キドニーグリルが特徴的です。
買取相場は、139万〜164万程度。M Sports仕様であればより高額査定が期待できます。
「M50i」は2019年に登場したハイパフォーマンスモデル。ツインターボガソリンエンジンで、最高出力は530PSです。
パワフルなだけでなく、インテリジェント4輪駆動システムとMディファレンシャルにより、悪路でも安定した走りが可能となっています。
エクステリアは基本的にはM Sportsと同様ですが、大型エアインテークにキドニーグリル、ドアミラーの仕様、21インチのアルミホイールなどの違いが見られます。
買取相場は、526万〜658万円程度。
X5の人気カラー
X5のカラー展開は、ソリッド系とメタリック系に大別されていますが、なかでも人気のカラーは以下の通りです。
アルピンホワイトⅢ(白)
ブラックⅡ(黒)
ブラックサファイア(黒)
グレイシャルシルバー(シルバー)
ソリッド系の「アルピンホワイトⅢ」はBMWの定番ともいえる白系の人気カラー。その洗練された美しさで、X5以外でも多くの人に選ばれています。
同じくソリッド系の「ブラックⅡ」は、メタリック系にはない艶が人気のカラーです。傷が目立ちやすいのが難点ですが、こまめなお手入れをしっかりできる人であれば、そのかっこよさを十分堪能できるでしょう。
同じ黒でも「ブラックサファイア」はメタリック系の黒で、こちらはBMWの定番カラーです。ソリッド系の黒より傷が目立ちにくく、宝石のような輝きが綺麗といわれています。
「グレイシャルシルバー」はX5の車体をより強調するカラー。シルバー系は傷も目立ちにくく、一般的にも人気のカラーです。
X5の人気オプション
BMW・X5のオプションは後付けできないものが多いため、純正のオプションが搭載されていると査定もプラスになる傾向があります。そのなかでも、人気のオプションは以下の通りです。
セレクトパッケージ
コンフォートパッケージ
21/22インチアルミホイール
サード・ロー・シート
ドライビングダイナミクスパッケージ
「セレクトパッケージ」は電動パノラマサンルーフ・リヤシートヒーティング・ソフトクローズドアなどがセットになったオプションです。高さのあるX5では特にサンルーフが人気といえるでしょう。
「コンフォートパッケージ」はシートの快適装備がセットになっているオプションです。ヒーティングはシートのみならずアームレストやステアリングホイールまでカバーしており、冬でも乗車してすぐ快適になるはず。一方で、シートをファンでクーリングしてくれる暑い時期に嬉しい装備も搭載しています。
M Sportsでは20インチのタイヤを装着しており、標準装備のホイールもかっこいいと評判ですが、オプションの「21/22インチアルミホイール」はさらに高級感が高まると人気です。ただし、インチアップするため乗り心地に影響がある点には注意が必要でしょう。
「サード・ロー・シート」は3列シートにするためのオプション。X5は車体が大きく、室内空間も広いため、家族等でドライブする人には人気のオプションといえるでしょう。
「ドライビングダイナミクスパッケージ」は最新技術を詰め込んだオプション。
選択できるグレードが限られているのは難点ですが、ディスプレイキーやインテグレイテッド・アクティブ・ステアリング(走行状況により前後のホイールの切れ角を自動調整する機能)、4輪アダプティブ・エア・サスペンション(エアサスによる車高調整でオフロードもオンロードも安定した走行が可能)といったBMWの技術を集約した装備となっています。